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夏休みにおける少年の非行・犯罪被害防止

2021/07/09

毎週金曜日放送の番組「DIVER」では13時15分頃から
リスナーの皆さんの生活に直結する様々な、安全情報・安心情報を、
滋賀県警察本部の協力でお知らせするコーナー
「安全・安心ほっとインフォメーション」をお届けしています。

 

7月9日の内容は「夏休みにおける少年の非行・犯罪被害防止」について。

 

Q )もうすぐ夏休みですが、今の時期、
  少年課ではどんなことに取り組んでいるんですか?

 

A )夏休みに入ると、開放感や気のゆるみなどから、子供が非行に走ったり、
犯罪被害に巻き込まれたりする傾向があります。
そのため、この時期、少年課では重点的に、
少年の非行防止、犯罪被害防止、環境浄化活動に取り組んでいます。

 

Q )滋賀県では最近、少年の非行というのは増えているんでしょうか?

 

A )令和3年中5月末までに、滋賀県において、刑法犯で検挙補導された少年は142人。
前年同期に比べて12人減少しました。
刑法犯で検挙補導される少年は、全国的にも年々減少しています。

 

Q )そんな中で、具体的な少年非行の特徴というと、どういうことがありますか?

 

A )内容としては、万引きなどの窃盗の罪がおよそ48%を占めています。
学識別では、中学生が全体のおよそ56%、高校生が全体のおよそ20%を占めています。
初発型非行は61人で、前年同期に比べて19人減少しました。

 

Q )初発型非行っていうのはどういうものですか?

 

A )刑法犯のうち、万引き、自転車盗、オートバイ盗、占有離脱物横領のことを言い、
繰り返すことによって罪悪感が薄れ、大きな犯罪への入口となってしまいます。
そのため、警察では、初発型非行の防止に力を入れて取り組んでいます。

 

Q )では、不良行為による補導状況というのはどうなっているんでしょうか?

 

A )令和3年中5月末までに、滋賀県において、不良行為で補導された少年は619人で、
前年同期に比べて43人増加しました。
行為別では、深夜はいかいと喫煙が多く、全体のおよそ73%を占めています。

 

Q )そんな中で今、少年の非行・犯罪被害で、特に問題となっていることってありますか?

 

A )全国的に、少年の大麻乱用、特殊詐欺への加担、SNSによる犯罪被害などが
問題になっています。
特に大麻乱用については、令和2年中、全国で、大麻により検挙された少年は
887人で、過去最高となりました。
滋賀県でも10人の少年が大麻で検挙されています。

 

Q )なぜ、少年に大麻が広がっているんでしょうか?

 

A )インターネット等で「有害性がない」「合法な国もある」といった誤った情報が流れていたり、
SNS等を通じて安い値段で手に入れることができるといったことなどが要因として
考えられています。

 

Q )では、少年たちが大麻を使用しないようにするために、できることはありますか?

 

A )まず、大麻は「有害性」「依存性」「耐性」のある危険な薬物であると、
正しい知識を身に付けることが大切です。
誘われることがあっても
友達であれば、勇気をもって断る
断りにくい先輩などであれば、適当な理由をつけて、その場から離れる
ネットで知り合った人に誘われたら、連絡を断つ
などして、断ってください。
また、誘われるようなことがあれば、すぐに大人に相談してください。

 

Q )もう一つの問題として「特殊詐欺への加担」というのがありますが、
  これはどれくらいの件数、発生しているんですか?

 

A )令和2年中、全国で、特殊詐欺で検挙された少年は489人と
前年より130人減少していますが、未だ特殊詐欺は後を絶たず、
予断を許さない状況にあります。

 

Q )「特殊詐欺」で検挙された少年は、どんな役割を担っているんでしょうか?

 

A )少年の検挙人員の78.3%が「受け子」と呼ばれる現金などの受取り役でした。
また、検挙された受け子に占める少年の割合は21.7%と、5人に1人が少年でした。
令和2年中、滋賀県でも3人の少年が特殊詐欺で検挙されていますが、
いずれも「受け子」でした。

 

Q )こうした犯罪に手を染めないようにするためには、どうしたらいいですか?

 

A )SNSなどで「高額バイト」「簡単な仕事」といった勧誘があっても、
これに応じてはいけません。
友達に誘われたり、先輩などの身近な人から頼まれても、大麻と同様、
きっぱり断り、すぐに大人に相談しましょう。

 

Q )こうした少年犯罪に関わってくるのがSNSですが、
  SNSによってどんな犯罪被害が出ているのでしょうか?

 

A )令和2年中、全国で、SNSの利用をきっかけとして被害に遭った少年は1,819人。
中高生だけで全体のおよそ9割を占めています。
SNSで知り合った者に騙されたり、脅されたりして自分の裸や下着姿などを
撮影して送ったりする「自画撮り被害」や、SNSで知り合った者と会い、
児童買春、いん行といった被害にあうことがあげられます。

 

Q )SNSを通じた犯罪被害に遭わないためには、どうしたらいいですか?

 

A )インターネットを安全かつ適切に利用するため、子供と保護者が
コミュニケーションを図り、ルールづくりをすることが大切です。
具体的には
●インターネットの利用時間や利用場所を決める
●フィルタリングを設定する
●ネット上で知り合った人に個人情報を教えない、写真を送らない、会わない
●個人情報が特定されるような内容や写真をアップしない
●困ったときには必ず相談する
といったことを話し合い、ルールを決めてもらうことが大切です。

 

Q )では最後に一言、メッセージを。

 

A )少年を非行や犯罪被害から守るためには、大人がしっかりと見守り、地域の絆を深め、地域全体で子供たちを暖かく見守っていくことが大切です。
警察でも、子供たちの明るい未来のために、少年の非行防止、犯罪被害防止、
環境浄化活動に取り組んでまいりますので、今後とも、ご協力をお願いいたします。

 

これまでの放送はこちら
7月2日放送「警察官の募集」
6月25日放送「薬物乱用の防止」
6月18日放送「ドライバーの交通事故防止・夏の交通安全 県民運動」
6月11日放送「メールによる犯罪被害防止」
6月4日放送「無施錠被害防止対策」
5月28日放送「詐欺被害防止 米原オリジナルソング」
5月21日放送「メールやインターネットを悪用した詐欺」
5月14日放送「自転車安全利用の促進」
5月7日放送「生活経済事犯被害の未然防止対策」
4月30日放送「山岳遭難防止について」
4月23日放送「ロマンス詐欺にご注意を!」
4月16日放送「サポート詐欺と偽ショッピングサイトにご注意を」
4月9日放送「子どもの安全対策」
4月2日放送「還付金詐欺にご注意を!」