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特殊詐欺の現状

2021/08/13

毎週金曜日放送の番組「DIVER」では13時15分頃から
リスナーの皆さんの生活に直結する様々な、安全情報・安心情報を、
滋賀県警察本部の協力でお知らせするコーナー
「安全・安心ほっとインフォメーション」をお届けしています。

 

8月13日の内容は「特殊詐欺の現状」について。

 

Q )まずは、特殊詐欺被害の現状を教えていただけますか?

 

A )特殊詐欺被害は、1月から7月までで、52件発生しておりまして、前年より、
7件少なく、被害総額は、約7,500万円で、
前年より約2,850万円少なくなっております。
ただ、1件当たりの被害額は、約144万円と非常に高額となっております。

 

Q )今年の特殊詐欺の特徴はありますか?

 

A )今年の特徴として、医療費や介護保険料の返還を理由とした
還付金詐欺やキャッシュカード詐欺盗が発生しています。

 

Q )具体的には、どのような手口なのでしょうか?

 

A )犯人が自宅の固定電話に市役所職員などを名乗って
「介護保険料の過払い金が3万円あります。以前、通知文を郵送しましたが、
届いていませんか?既に期日が過ぎてしまっているのですが」
という電話をかけます。
そのような通知文を送付していませんので、当然、被害者としては、
「何のことだろう。そんな通知文は来ていなかった」と、動揺してしまいます。

 

Q )確かに、そう言われると動揺してしまいますよね?

 

A )そして犯人は、こう続けます。
「期日が過ぎてしまってしまいましたが、ATMであれば手続きが可能です」
と言って、被害者を急かします。
このように、動揺し、焦ってしまう状況になると、誰でも冷静に判断が
できなくなってしまい、結果として、犯人の言葉を鵜呑みにしてしまう、
つまりだまされてしまうということになってしまいます。
その後、犯人の言葉巧みな話術によって、被害者がATMまで誘導させられ、
指示されたとおりにATMを操作してしまいます。
このようにして、振り込まれる操作をしているつもりでも、実際には、
犯人の口座に振り込むという手続きをしてしまって、
被害に遭うということになってしまいます。

 

Q )端的にお話ししていただけると、おかしい話だと思えますけど、
  実際には、すごく言葉巧みなのでしょうね?

 

A )そうだと思います。
一日に何百件も電話をかけて、だませそうな人を探すという方法で犯行に
及んでいるということを考えると、必然的に犯人の話術が
上手くなっているということも考えられます。
それだけでなく、だますためのマニュアルを持っていますし、
相当だましかたが上手いと思います。

 

Q )それでは、どのように対処したらいいのでしょうか?

 

A )この手口は、固定電話からはじまるということに着目したいと思います。

 

Q )固定電話ですか!?

 

A )犯人の多くは、市役所や保険事務所など行政機関を名乗って電話をかけてきます。
ということは、犯人は、被害者をだますために、被害者の住所地を管轄する
行政機関でなければなりません。
また、行政機関から一般家庭に電話をかけるとすると、携帯電話ではなく
固定電話にかけた方が信用性が増すと思います。
そのため、固定電話から始まることがほとんどです。

 

Q )なるほど、固定電話が要注意なんですね?

 

A )そうなんです。ということは、固定電話にかかってくる電話に出なければ、
犯人と話をしなくても済みますし、被害に遭うこともありません。

 

Q )でも、どのようにして犯人の電話を見分けたらいいのでしょうか?

 

A )その方法は、簡単で、留守番電話設定を利用するという方法です。
不在にする場合だけでなく、家にいるときでも、常に留守番電話にしておいてください。
そのようにしておけば、もし詐欺犯人が電話をかけてきたとしても、犯人は
自分の声を残したくないメッセージを残して、折り返しの電話を待つよりも、
次のターゲットを探そうと考えます。
そのため、留守番電話に切り替わると、
メッセージを残すことなく電話を切ってしまいます。

 

Q )なるほど、それは効果的ですね。

 

A )非常に簡単で効果的な対策です。
留守番電話の設定方法については、電話の機種によって、違いがあると思いますが、
ほとんどの留守番電話機は、「留守番」と書かれたボタンをポチッと押すだけ設定が
できると思います。
これだけで、ほとんどの詐欺電話や迷惑電話に出る手間も省けますし、
被害に遭うことも無くなります。
ラジオをお聞きの皆様には、今すぐにでもやっていただきたいと思いますし、
お知り合いや離れて住んでおられるご両親や祖父母にも話していただけると
非常にありがたいです。

 

Q )ほかに注意しておくことはありますか?

 

A )特殊詐欺に関する情報にアンテナを張っていただきたいということをお願いします。

 

Q )それはどうしてでしょう?

 

A )特殊詐欺の手口は、年々変化します。
今年、多発している還付金詐欺も、実は、3、4年前まで多く発生していた手口で、
ここ数年ほとんど発生していませんでした。
その理由は、警察だけでなく、市町などの行政、防犯団体や企業など
様々な団体によって、注意喚起や被害防止対策を呼びかけます。
このように対策が浸透してしまうと、だますことが難しくなり、詐欺犯人は、
別の手口を考えたり、数年前の手口を使ったりします。
ですので、特殊詐欺情報を手に入れるようにしていただきたいと思います。
また、特殊詐欺の手口にもよりますが、この還付金詐欺の場合、特定の地域に対して、
集中的に狙うことがほとんどです。
今まさに発生している情報を手に入れることも大切と考えています。

 

Q )それでは、詐欺情報を手に入れる方法を教えていただけますか?

 

A )滋賀県警では、しらしがメールを使って、詐欺電話の発生情報や被害防止対策を
配信しています。
スマートホンや携帯電話で「しらしがメール」「けいたくん防犯情報」などと
検索してみてください。
登録も非常に簡単ですので、ご登録をお願いします。
また、スマホなどの操作が苦手である方は、最寄りの警察署に
お問い合わせをしていただければ、設定方法についてもご説明します。
ご両親のことが気になる方は、是非、設定してあげてください。

 

Q )それでは、最後に皆さんに一言お願いします。

 

A )昨年の特殊詐欺被害の半数以上が、固定電話から始まっていますし、
1件当たりに数百万円の被害となっています。
そのため、被害に遭う前に、先ほど説明した固定電話を留守番電話設定にして対策を
取ってください。
また、今年度、滋賀県警では、「留守番ボタンをポチっと作戦」として、
この対策に力を入れております。
留守番ボタンをポチッとするだけの特殊詐欺対策の
「留守番ボタンをポチッと作戦」に参加して、特殊詐欺の被害を無くしましょう。

 

これまでの放送はこちら
8月6日放送「標的型メール攻撃」
7月30日放送「夏休み中の交通事故防止」
7月23日放送「水難事故・山岳事故防止」
7月16日放送「航空隊の取り組み」
7月9日放送「夏休みにおける少年の非行・犯罪被害防止」
7月2日放送「警察官の募集」
6月25日放送「薬物乱用の防止」
6月18日放送「ドライバーの交通事故防止・夏の交通安全 県民運動」
6月11日放送「メールによる犯罪被害防止」
6月4日放送「無施錠被害防止対策」
5月28日放送「詐欺被害防止 米原オリジナルソング」
5月21日放送「メールやインターネットを悪用した詐欺」
5月14日放送「自転車安全利用の促進」
5月7日放送「生活経済事犯被害の未然防止対策」
4月30日放送「山岳遭難防止について」
4月23日放送「ロマンス詐欺にご注意を!」
4月16日放送「サポート詐欺と偽ショッピングサイトにご注意を」
4月9日放送「子どもの安全対策」
4月2日放送「還付金詐欺にご注意を!」